皆さんこんにちは!ぽんたくです。
今回は2022年9月5日にポプラ文庫社より発売された、二木先生(著作:夏木志朋)について紹介していきたいと思います。
よろしくお願いいたします。
表紙
目元がぼかされている男の人のイラストが描かれています。
これは主人公か?それとも二木先生なのか?
服装は高校の制服に見えますが、スーツにも見えなくもないです。
これは読みすすめたところで分かるかも知れないですね。
それから、作中のものと見られる引用が複数個書かれています。
この中には序盤に出てくる印象的なセリフもありました。
期間限定カバーの下半分には、有名出版社の方々からの絶賛の言葉の数々が並んでいます。
私は今回この派手で印象的なカバーに期待を抱き、本書を手に取りました。
構成
ページ数は366ページで、全15章の構成となっています。
各章あたりのページ数はバラバラで、20ページほどのものから、60ページのものまでありました。
文庫本にしては量が多いため、毎日ゆっくりと時間をかけて読むことが出来る方におすすめです。
主な登場人物
1,田井中広一
主人公。高校2年生。変わった価値観により幼少期から周りから浮いた存在である。
母親からは「広一はユニークね。色々言われちゃうのは周りのレベルが低いからよ」と最早口癖の様に言われて飽き飽きしている。
2,二木両平
田井中のクラスの担任で美術の先生。誰とでも平等に接するところや、ノリの良いところ、見た目の爽やかさで、学校では生徒全体から好かれている。
しかし、学校の外では誰にも言えない秘密を隠し持っている。
3,委員長
田井中の高校のクラスメイトで、幼稚園からの幼馴染。
幼少期から田井中が周りに馴染めないことを気にかけて、イベントに招待するといった心優しい女子生徒。
4,吉田
田井中の高校のクラスメイトで、田井中をいじめの対象とするグループのリーダー格。
滅茶苦茶な理論でいじめを正当化し、田井中へのいじめを日々楽しんでいる。
しかし、時には被害者の田井中までも感心させてしまうような鋭い論理を展開することもあり、頭のキレる人物。物語の後半では特に鍵を握る人物の一人である。
感想(小ネタバレ) 後半の大胆な展開の動きに注目したい1冊!
本書を読み終えて、ページ数としては大きなボリュームでしたが、学ぶことが多く物語全体としてとても面白かったです。
物語の序盤では、主人公である田井中の行動(幼少期に友人の父親を叩いたり、本屋で万引きをしたり等)に対しヒヤッとすることがありました。
その後、二木の秘密を知った田井中は、万引きがバレた時にその秘密を弱みとして利用しようとしたところから、物語は加速し思わぬ展開に進んでいったと思います。
終盤の二木とクラスのやり取りの緊張感は凄いものでした。
田井中と口論になった時の二木のセリフには、人々の生き方について色々と考えさせられました。
特に印象的だったのは、本当の自分を押入れの中にしまって生きるという選択肢について。その考えは誰にも迷惑をかけなければ良いと思っています。
しかし他人がその事実を知ってしまった時、それをどう感じるかは受け手に委ねられます。
二木の趣味がどうとかは置いておいて、押入れの中に本当の自分を隠すという生き方は、無理のない範囲なら良いのではないかと思いました。
僕の場合だと自分も周りの友達には読書が趣味とは言わず、ゲームやエンタメの話で周りと話を合わせているみたいな感じかと思いました。
また、度々出てくる吉田を始めとするいじめっ子集団による田井中へのいじめシーンは、リアルな描写で生々しい緊張感が伝わって来ました。
正直読んでいて不快な気分になることもありました。
集団に馴染めないと世の中生きづらいのも事実なのかも知れませんね。。
最後までお読みいただきありがとうございました!
また次の記事も読んでいただければ幸いです。
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