皆さんこんにちは!ぽんたくです。
本日は2021年8月25日に中央公論新社より発売された小説「三千円の使いかた」を紹介していきます。
よろしくお願いします。
主な登場人物
御厨美帆(みくりやみほ):
最近一人暮らしを始めた24歳の会社員。独身だが恋人がいる。貯金額は30万でお金に関する知識はまだまだ乏しい。保護犬を買うために一軒家を買うことを目指して節約を始めようと決心する。
御厨真帆
美帆の姉で29歳。既婚者で相手は消防士。佐帆という3歳の娘がいる。独身時代は証券会社に努めており、お金に関する知識は豊富。貯金も600万ある。
御厨智子
美帆、真帆の母親。向上心が高く習い事に熱心。智子の義理の母親である琴子におせち料理教室の開催を提案するなど積極性もある。また、貯金は100万ほどで、子育てが落ち着くまでは貯金の事について考える余裕が無かった。
御厨琴子
美帆、真帆の父方の祖母。年齢は70代。孫の真帆に家計簿について熱弁するほどに家計簿の大切さを理解している。亡くなった夫の退職金があり貯金は1000万ほどある。年金額が足りず、このままでは貯金に手を出してしまうことになるため、新しい仕事を探すことに。
小森安生
ガーデニングショップで琴子と知り合った30代後半の男性。定職には就いておらず、季節労働のバイトを転々としている。恋人がいるが、子供は費用対効果が悪いから要らないと言うなど、合理主義に偏っている性格。
この本の構成
この本は解説を含めて全349ページで、本編は全6話で構成されています。
物語を通した主人公はおらず、各話で御厨家の人物(4話のみ小森安生が主人公)が主人公となっています。
各話のページ数は50ページほどで、1話あたり30分以上の時間が取れると良いと思います。
各章の概要
1.三千円の使いかた
この話の主人公の美帆は中学生のころ、祖母の琴子から「人は三千円の使い方で人生が決まるよ」と言われます。当時の美帆はお小遣い帳を付けたり、お金の使い方についてあまり意識していませんでした。
しかし、大人になった美帆は姉のピンクの財布や母の北欧のティーポットを見ると、祖母の言う通りなのかもなと実感します。
社会人になった美帆は初めは順調に日々を過ごしていました。しかし、尊敬する先輩がリストラされ、しかもそのことを交際相手に共感してもらえない始末。そんな中、たまたま通りかかった街の催しで見かけた保護犬を見て美帆はとある決心をします。
2,七十三歳のハローワーク
この話の主人公は美帆の祖母である琴子で、将来の自分の介護費用や、実家の改修費用などでお金が必要になってくるため、このままでは1000万円の貯金に手を付けざるを得ない状況になることを危惧します。
しかし、真帆からの提案でおせち料理教室を開いて賃金を得たことから、もう一度働くことも出来るのではないかと考え始め、職探しを始めます。
3.目指せ!貯金一千万!
この話の主人公は美帆の姉である真帆です。
夫の職業は安定しているが給料があまり高くなく、妻である真帆がポイ活を積極的に行い、家計にも余裕があまりありません。それでも娘と三人で日々幸せな生活を送っています。
しかし、とある友人との集まりで、新婚の友達の高級な指輪を見たり、タワーマンションを買ってもらったという話を聞き、真帆の心が揺さぶられてしまいます。
4,費用対効果
この話の主人公は小森安生で、とある季節労働のバイト先で旅行ライターのきなりという女性と出会い、交際関係になります。きなりには子供を作る願望がありますが、小森にはそれがありません。
ホームセンターの園芸コーナーで琴子と知り合い、きなり共に御厨家にお邪魔することになります。
そこできなりは既婚で娘がいる真帆と意気投合し、きなりは更に結婚、妊娠願望が強くなります。
しかし、その後小森はとんでもないハプニングを起こしてしまう、、
5.熟年離婚の経済学
この話の主人公は美帆の母親である智子です。夫婦間の関係は特別良いわけでもありません。
さらに智子はガン治療で入院から帰ってきたにも関わらず父親を頼りにすることも出来ません。
ある日、智子は友人と会った際に友人から離婚を決めたという衝撃の報告を受けました。その出来事が智子の夫婦の関係性を今一度見直すきっかけとなり、、
6.節約家の人々
美帆は自身の節約に関する内容を発信しようとブログに励んでいました。ある日、美帆は現在交際している翔平から話があると呼び出されます。その内容は、なんと彼が借りている奨学金の返済が滞っているという内容でした。しかもその額は決して無視できない額です。美帆はそのことを家族に相談し、翔平の実家にも足を運びますが、、
感想 どの世代にもきっと通じる!お金と人生について考えさせられる1冊!
本書を読んでみて、収録されている物語の主人公は主に女性ですが、男性の私でも長い人生の中で起こりうるお金の問題や人生の悩みにとても共感出来ました。
個人的に印象的だった登場人物の1人である小森安生は、身勝手で合理主義に偏った性格で印象は悪かったです。しかし私にも似た様な部分があったので、この様にはなりたくない!と考えさせられる内容でもありました。
また、家計簿について熱く語る琴子おばあちゃんや、友人との比較に悩む真帆も印象的でした。
各物語の主人公が様々な世代なので、読者も全世代で楽しめる物語だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次の記事も読んでいただければ幸いです。
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