今回は2019年7月10日に文藝春秋より発売され、2024年3月22日に佐藤健さん主演の映画が公開予定の話題作、四月になれば彼女はを紹介します。
表紙と構成
私が書店でこちらの本を手にとった際、表紙は実写版映画のキャストである佐藤健さん、長澤まさみさん、森七菜さんという主演キャストが写った特別版カバーでした。
読みながらこの特別版カバーを見ていたのですが、恐らく藤代→佐藤健、弥生→長澤まさみ、ハル→森七菜の配役なのではないかと考えました(違ったらすぐに修正します)。
映画版のキャストの表情を想像しながら読んだりして、物語の中に入り込みやすかったように感じました。
ちなみに、特別版カバーの下に隠されていたオリジナルの表紙には、曇り空が綺麗に反射している海辺を歩いている1人の人が描かれていました。
ページ数は本編274ページ。全12章で構成されている。各章の文量があまり多くなく、とても読みやすいため、普段本を読まない方にも是非とも読んで頂きたい1冊です。
内容
大学時代に写真部に所属していた精神科医の藤代が主人公。
獣医師との婚約が控えている中、大学時代にかつて交際していた相手から突然手紙を受ける。
その手紙による藤代の心の揺れ、純やタスク、弥生とのやり取りなど各場面での藤代の心情が美しく表現されている恋愛小説。
内容は主にハル(時に弥生)からの手紙、藤代の大学時代、弥生との結婚が近い現代、弥生との馴れ初めといったパートで構成されている。
個人的な感想(ネタバレあり)
恋愛に熱が持てなくなった主人公や周りの人々の心情の表現がとにかく美しいなと思いました。
結末はあまりスッキリとしたものではありませんでしたが、読了後に、どうすればお互いの愛を続けることは出来るのか。好きという感情は一体何なのだろうか。そんな事を考えさせられました。
また、これは本編の一部に対する個人的な解釈となるが、かつてはお互いに愛し合い、それが永遠に続くと感じた相手と突然別れた経験(トラウマのような)があれば、その後の恋愛でもお互いが愛することが出来るのは一瞬の間だと悟っているため付き合いに身が入らないのも、もしかしたら仕方がないことなのかなと少し思いました。
神経衰弱のように長い時間をかけてカードをめくり相手の事を知っていくという表現もお気に入りでした。
こんな人にオススメ
交際相手と将来結婚を考えている人は、自分の今の心構えを考えさせられる良いきっかけになるのではないでしょうか。
しかし、単純にキュンキュンしたい人にはオススメ出来ないと思いました。
もしご興味を持たれたらこの機会に是非読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。次の記事も読んでいただけたら嬉しいです。
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